×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
11月15日の朝、「私」は屋外の雨音とともに目覚めた。
なんだ今日は雨が降っているのか、練習へ行くのに大層手間がかかるなぁ
そんなことを考えながらいつも通り二度目の眠りにつき、結局母親の怒鳴り声での起床となった。
歯を磨き、朝食を摂り、練習および授業の準備を行う。そして昨日修理したばかりの自転車に跨り実家をあとにしたのである。
なんだ今日は雨が降っているのか、練習へ行くのに大層手間がかかるなぁ
そんなことを考えながらいつも通り二度目の眠りにつき、結局母親の怒鳴り声での起床となった。
歯を磨き、朝食を摂り、練習および授業の準備を行う。そして昨日修理したばかりの自転車に跨り実家をあとにしたのである。
数日前から急に気温が下がり、10℃を軽く下回る。冷風に顔を打ち付けながら自転車をこぐというのは些か辛いものがある。Tシャツ一枚で快適に過ごせた夏の日々を恋しく思いながら私は左手に傘、右手にハンドルを握って踏水会へと急いだ。
およそ20分ほどで到着し、早足でロッカールームへ向かう。勿論、階段を上がる途中でのスタッフさんへの挨拶も忘れない。
流れるように着替えを済ませ、次に待ち受けるのは体幹トレーニングだ。以前、新谷健氏が開催した体幹講座で注意された項目を意識しつつ全集中力を体の中心方向に向ける。特に横体幹は体の軸が頭から真っ直ぐなっているか常に確認しなければならない。周りでも頭だけ重力方向へ垂れ下がっている人をよく見かける。それではいけない、そう思うのである。注意喚起をまめにしていく必要があるのではないか。
さて、体幹が終わり皆がお待ちかねのメニュー説明である。
メニューは以下のとおりである。
up 400*1 cho 7'
100*3 cho drill 2'10
100*3 Fr-Ba 1'40
rest 2'30
kick 100*6 cho cycle in 1'50,1'35,1'45/t
rest 1'40
pull 50*4 IMO 25H 1'15
loosen 100*1 cho 5'
swim 200*3*4 IM cycle in 1s:3',3',2'50
2s:3',2'50,2'50
3s:3',2'50,2'40
4s:3',2'40,2'40
S.R. 40"
down 50*8 cho 1'05
これはAサイクルのものである。さらにその下には
「キックは1本だけきつめのサイクル入ってますが、しっかり回ってくるように。
メインはきついです。頑張って踏ん張って耐えてください。
いつもよりB,Cが速くなっていて、A',B'ぐらいになっているので、普段から回れていない人は一個下に降りてください。
降りた人は、そのサイクルで一個上のサイクルよりも速く泳ぐつもりで。」
との注意書きがなされていた。
-ふむ、成程。今日は200IMであるか。4S目が回れるかどうかが今日の勝負どころになるな-
来たる12月1日の冬季公認で200IMに出場する予定の私にとって一段と気合の入るメニューである。
回らなければならないという覚悟のもと、練習を開始した。
雨はまだ少し降っていたが「水と友達」がキャッチフレーズの我々水泳部にとっては空気も同然である。
軽々とupをこなし、一つ目の山と思われるkickへとシフトした。Aサイクルを選択したのは私を含め4人。Bサイクルに最も人が集中する形となった。ここで私は「おや」と思う。
普段1’40の時にはAに来ている人たち数人がBへ行っているように思われたのだ。確かに1’35とは中々しんどいサイクルかもしれない。しかし、その次が1’45と比較的緩いサイクルなので十分回復可能である。しかもその次は1’50ときた。
このcycle inは実は見た感じより遥かに回りやすいメニューなのだ。35という数字だけに囚われてAに挑戦しないというのは勿体ないと思える。恐らく、回れた人はもっといたはずである。
pullのハードも終わり、loosenを経て、さあいよいよメインの200IMへ突入する。
1,2sはpullでいくことを選択した。サイクルはまだ緩いのでここで体力を削らないようかなり注意を払った。そもそもブイを挟んでいるのでkickを打たない分あまり疲れない。心身ともに余裕をもって泳ぐことができた。タイムも2’42,3くらいで纏められており、「なんだ今日の私は好調じゃぁないか!」などと思ったりもした。
個人的には初めのFlyで楽に入ることができればその流れでうまく最後まで持っていける。pullではそれが実現できていたと思われる。そうpullまでは。
3s目からは足を使わなければならない。その途端、疲労の感じ方が飛躍的に上がっていった。気持では楽に泳いでいるつもりでも体がイメージ通りに動かない。心身が分離した瞬間であった。このセットのラストは2’38で一歩間違えればアウトしていたかも知れない。ここで私は悩んだ。ラストセットの2本目を3本目漂流覚悟でハードするべきか、それとも3本目の余力を少し残した状態でタッチできるように調節すべきか。後者で回れるのであればそれにこした事はないが、それは厳しい。かと言って2本目に完全終了するのもどうなのか。などと考えているうちに2本目がきた。
どっちつかずのまま結局は1,2秒アウトした後、3本目はFlyから溺れたような泳ぎで悲惨なタイムとなった。
こうして15日の全メニューが終了した。いつもダウン時は疲労感と練習を終えた満足感が入り混じった何とも言えない心地よさを感じるのだが、今日は最後の最後で甘さを露呈させてしまったことに対する後悔ばかりが残った。
どうすればよかったのか、それは誰にも分からないのだろう。後悔しても失われた時間は、練習は取り戻せないのだ。ならば我々はこれから起こる先のことに思いを馳せなければならない。目の前に現れる問いに対して完全でなくとも己が満足できるような、最大公約数的な回答をその都度生み出さなければならない。これができている人はきっと「強い人」なのだろう。
残念ながら自分は「弱い人」である。しかし、開き直ることを良しとせず「強い人」を目指していこうと、少なくとも来年の夏季シーズンの終わりまではそう有ろうと考えるのだ。
さて、ここからは蛇足的な話になるのだが、私がこのような文章を書いた理由についてである。練習の後は皆が集まってプールに挨拶および連絡の伝達を行うのだが、その際日記を執筆する人が当てられる。
もうお分かりかと思うがこの日は私が当てられたのだ。練習を取り仕切っていた清水一利氏の「ジョニー書いといてよ。」の一言により日記係と相成った次第である。
因みにこのジョニーという名前は私を指しているらしい。いつの間にか数人の部員から呼ばれるようになっていた。全く困ったものである。私は生粋の日本人であり、ジョニーと呼ばれる理由となる要素を何一つ持っていないのだ。しかし、あだ名というものに理由を求めるのも馬鹿らしい話ではある。ここは一つ、心穏やかにジョニーという名前の行く末を見守ろうではないか。
本日はここまでにしておこう。横田堯大氏からは面白い日記を書くように頼まれたが私には有りのままを書くことしかできず、よってこの様な面白味のない練習譚となってしまった。
ここまで読んで頂いた読者にせめてものお詫びとして、鹿児島にて撮影した菅平裕真氏が虚ろな目つきで名物「しろくま」を貪る写真を添付してお
こうと思ったが許可が降りず、この間の打ち上げの様子の写真で勘弁願いたい。
11月15日 北澤 慧真
PR